古い穴銭は和同開珎?初心者向け見分け方と鑑定ポイントを解説

実家や蔵の片付け、遺品整理をしていると、四角い穴の開いた古い銭貨がまとまって出てくることがあります。
「これは和同開珎かもしれない」「古そうだから価値があるのでは」と、期待して調べ始める方は少なくありません。
しかし、穴が開いている古銭のすべてが和同開珎というわけではないのです。
日本では和同開珎が鋳造された奈良時代以降、時代ごとにさまざまな穴銭が使われてきました。和同開珎は708年に鋳造された、日本で最初期の本格的な流通用鋳造貨幣として知られています。(文化遺産オンライン)
見た目だけで安易に「和同開珎だ」と決めつけてしまうと、実際には江戸時代の一般的な穴銭を過大評価してしまったり、反対に本当に価値のある一枚を見逃してしまったりすることもあります。
この記事では、初心者の方でも自宅で確認できる見分け方と、判断に迷ったときの正しい相談の仕方を分かりやすく解説します。
「穴銭=和同開珎」ではありません
まずお伝えしたいのは、丸い形に四角い穴が開いているというだけで、和同開珎と断定することはできないという点です。
穴銭とは特定の銭貨の名称ではなく、あくまで「四角い穴が開いた古銭」全般を指す形状の呼び名にすぎません。
日本で見つかる穴銭には、和同開珎を含む皇朝十二銭、江戸時代の寛永通宝、文久永宝、天保通宝のほか、中国由来の永楽通宝などもあります。
丸い形・四角い穴・四文字の銘文という基本構造は、中国の貨幣制度の影響を受けているためほぼ共通しており、初心者の方が見た目だけで判別するのは容易ではありません。
寛永通宝は江戸幕府が1636年に発行し、1670年には寛永通宝以外の銭貨の使用を禁止したとされる代表的な江戸時代の銭貨です。そのため、実家や蔵から見つかる穴銭の候補としてまず確認したい種類の一つです。(日本銀行インフレーションメーター)
そのため、寛永通宝を和同開珎と混同してしまうケースが、初心者の間で非常に多く見られます。寛永通宝には「寛永通寳」の文字がはっきりと刻まれているのが特徴で、これが読み取れれば和同開珎ではないと判断できます。
また、和同開珎の後に発行された皇朝十二銭も、一見すると非常によく似た穴銭です。こちらは専門家でも細かな文字や書体を確認して判断するほど紛らわしく、初心者の方が写真だけで見分けるのはさらに困難だといえるでしょう。室町時代以降に流通した永楽通宝や、楕円形に近い大型の天保通宝は、文字の雰囲気や形状が大きく異なるため、比較的区別しやすい部類に入ります。
和同開珎は、和銅元年・708年に鋳造されたとされる奈良時代の貨幣です。文化遺産オンラインでは「日本で最初の流通用の鋳造貨幣」と説明されています。(文化遺産オンライン)発行から千年以上が経過しているため現存数は限られており、保存状態や出土地、鋳造時期によって評価は大きく異なります。
「古そうだから和同開珎だろう」という思い込みだけで判断するのは、避けたいところでしょう。
鑑定士の目🔍 実際の鑑定現場では、まず銘文の書体そのものに注目します。和同開珎は、古銭研究上「古和同」「新和同」といった分類で語られることがあり、文字の線のゆがみや整い方が観察対象になります。ただし、これらは当時の公式分類ではなく、後世の研究・収集上の呼び方です。(公益財団法人 黒川古文化研究所)素人目には同じ「古い字」に見えても、プロは文字の起筆・終筆の運びや線の太さの変化だけで、大まかな時代を絞り込めることがあります。
初心者でも確認できる4つのチェックポイント
「専門知識がないと判断できないのでは」と不安に思う方も多いかもしれません。
しかし、いくつかのポイントを順番に確認するだけで、ある程度の目星をつけることは可能です。
ここでは、洗浄や研磨をせずに自宅でもできる、基本的な確認方法をご紹介します。
まず確認したいのは文字です。和同開珎には「和・同・開・珎」の四文字が刻まれていますが、摩耗やサビ、土汚れによって判読しづらいことも珍しくありません。無理に洗浄したり磨いたりすると表面が傷つき、かえって鑑定が難しくなるため注意してください。
次に、穴の大きさ・角の形・穴周辺の厚みを見ます。種類によって微妙な特徴の違いがあるため、スマートフォンなどで拡大して撮影すると特徴が見えやすくなるでしょう。
さらに外縁の太さや丸み、摩耗や欠けの有無、そして色味も重要な手がかりになります。銅を主体とする古銭は、長い年月を経て茶色や黒褐色、緑青など自然な変色を見せますが、不自然に光沢があるものや均一すぎる色合いのものは、後年の加工品や模造品である可能性も考えられます。
最後に、複数枚見つかった場合は必ず並べて比較し、片面だけでなく裏面も確認してください。同じように見えても、実は異なる種類が混在していることは珍しくありません。文字だけでなく、全体のバランスや書体の配置も専門家が重視するポイントの一つです。
鑑定士の目🔍 私たちが実物を手にしたとき、最初に注目するのは穴の四隅に残る「バリ」の有無です。銭貨は鋳型で作られるため、鋳造時のズレや切り離し跡、穴周辺の整え方が観察ポイントになります。ただし、それだけで時代や真贋を断定することはできず、銘文・材質・摩耗・来歴などと総合して判断します。(E-Hills)写真では分かりにくい厚み、縁の立ち上がり、穴周辺の加工痕は、実物確認で重要になるポイントです。
自己判断で処分する前に、専門家へご相談ください
文字や穴の形をひととおり確認しても、「結局これは和同開珎なのか分からない」と感じる方がほとんどではないでしょうか。
それも無理はありません。古銭の判別には、時代・個体差・摩耗の度合い・真贋など複数の要素を総合的に見きわめる経験が必要だからです。
古代の鋳造は現在ほど均一ではなく、和同開珎であっても文字や厚み、縁の形には個体差があります。図鑑の写真通りではないことも珍しくなく、長く流通した貨幣ほど摩耗によって重要な文字が消えている場合もあります。
さらに、人気の高い古銭には現代に作られたレプリカだけでなく、古くから伝わる「写し」も存在するため、写真だけで真贋を判断できないケースも少なくありません。
遺品整理で大量の穴銭が見つかった場合、多くは寛永通宝のような一般的な種類ですが、まれに希少な古銭が紛れていることもあります。自己判断でまとめて処分してしまうと、本来確認できたはずの特徴を見落としてしまう可能性も否めません。
「価値がなかったら相談するのが恥ずかしい」「1枚だけで電話しても迷惑ではないか」と感じる必要はありません。強引な買取が不安な場合は、古物営業許可の有無や契約内容を確認することが大切です。訪問購入では、消費者庁がクーリング・オフ期間中の物品引渡し拒絶などのルールを示しています。(ノートラブル)
大切なのは、無理に洗浄・研磨をせず、そのままの状態で専門家に見てもらうことです。それが、後悔しないための最善の方法だといえます。
保管の際は、湿気を避けて風通しのよい場所を選び、複数枚をまとめて保管する場合は一枚ずつ紙製の袋や中性紙で分けておくと、擦れ合って傷が付くのを防げます。箱や紙袋、古い包み紙、メモなど来歴が分かる付属品が残っていれば、それも大切に保管しておきましょう。鑑定の際の参考資料になることがあります。
鑑定士の目🔍 自己判断で最も多い失敗は、良かれと思って磨いてしまうケースです。表面に見られる酸化被膜、いわゆる表面の緑青や酸化被膜は、腐食の一種である一方、保管環境や経年変化を推測する手がかりにもなります。自己判断で削ったり磨いたりすると、鑑定に必要な情報まで失われる可能性があります。磨いて光沢を出してしまうと、本来分かるはずだった情報が永久に失われてしまうため、私たちは「触らずそのまま」の状態でお持ちいただくことを強くおすすめしています。
古い穴銭は、写真や自己判断だけでは正確な種類や価値を見極めることができません。
保存状態や希少なバリエーションの有無によって評価には大きな幅があり、保存状態、種類、真贋、来歴、希少なバリエーションの有無によって評価は変わるため、見た目やインターネット上の情報だけで一律に判断するのは避けた方が安全です。
「これは和同開珎だろうか」「寛永通宝との違いが分からない」「遺品整理で大量に見つかったが、一枚だけ価値があるかもしれない」——そのように迷ったときこそ、自己判断で大切な古銭を安く手放してしまう前に、専門家へ相談すべきタイミングです。
「だるま3」では、1枚からでも無料で電話相談を承っております。売却を前提とする必要はなく、「種類を知りたい」「和同開珎かどうか確認したい」といったご相談にも対応しています。
判断に迷う古い穴銭が見つかった際は、自己判断で後悔する前に、専門家へ気軽にお電話でご相談ください。






































