御即位記念金貨と御在位記念金貨の違い|図鑑感覚で分かる見分け方と鑑定ポイント

遺品整理や実家の片付けをしていると、天皇陛下の御即位や御在位を記念した金貨が一緒に出てくることがあります。
「御即位記念」と「御在位記念」は名前が似ているため、ケースがないとどちらか分からなくなる方も少なくありません。
インターネットで調べても比較できる写真が少なく、自分の手元にある金貨と見比べられないという声もよく聞かれます。
さらに、記念金貨には偽造品や貨幣に似せた模造品も確認されているため、見た目だけで即断するのは危険です。
「本物かどうか分からないまま売ってしまってよいのか」と、不安を抱える方も多いのではないでしょうか。
一方で、複数の買取店に持ち込んで査定額の違いに戸惑ったという声も少なくありません。
本記事では30年にわたり古銭鑑定に携わってきた視点から、図鑑のように違いを整理してご紹介します。
最後まで読んでいただければ、ご自宅である程度の種類判別ができるようになり、専門家へ相談すべきポイントも見えてくるはずです。
「箱がないから分からない」「1枚だけだから相談しづらい」と感じる必要はまったくありません。
どのような状態であっても、まずは知ることから始めていただければと思います。
御即位記念金貨と御在位記念金貨、見分け方のすべて
発行目的と時期の違いを知る
「御即位記念」と「御在位記念」は、どちらも皇室の慶事や節目にあわせて国が発行した記念貨幣ですが、発行された理由が異なります。
名称だけを見て「同じもの」と判断してしまう方が多いのですが、それぞれ異なる出来事を記念する貨幣として発行されています。
まずはこの違いを押さえることが、見分けの第一歩になるでしょう。
テレビの鑑定番組などで名前だけを耳にしたことがあっても、実際の違いまで説明できる方は多くありません。
遺品として複数枚まとめて出てきた場合はなおさら、混乱してしまうのも無理はないことです。
御即位記念金貨は、天皇陛下の御即位を記念して発行されるものです。
一方の御在位記念金貨は、天皇陛下の御在位が一定の節目を迎えたことを記念して発行された貨幣にあたります。
つまり「御即位」は天皇の代替わりに伴う御即位を、「御在位」は御在位の年月の節目を記念するものだと考えると分かりやすいかもしれません。
御在位に関する金貨としては、昭和61年・62年銘の「天皇陛下御在位60年記念10万円金貨」のほか、平成には御在位10年、20年、30年を記念する1万円金貨が発行されています。
これに対し、平成2年銘の「天皇陛下御即位記念金貨」は額面10万円ですが、令和元年銘の「天皇陛下御即位記念金貨」は額面1万円です。
そのため、「御即位記念金貨はすべて10万円」「御在位記念金貨もすべて10万円」と思い込まず、額面、年銘、図柄を組み合わせて確認する必要があります。
発行される「きっかけ」が違うため、年銘や発行時期も自然と異なってきます。
平成と令和の御即位記念金貨、昭和と平成の御在位記念金貨が存在するため、年代の混同にはとくに注意が必要です。
また、発行枚数や貨種、販売・引換えの方法も記念貨幣ごとに異なります。
御即位という代替わりに伴う節目と、御在位の年月を記念する節目とでは、発行の趣旨が異なるためです。
いずれも通常貨幣とは異なる記念の図柄を採用した貨幣ですが、日本の法定通貨として額面が表示されている点は共通しています。
参考:記念貨幣一覧(https://www.mof.go.jp/policy/currency/coin/commemorative_coin/list.htm)
鑑定士の目🔍
「御即位」「御在位」という名称だけで判断される方が多いのですが、貨幣本体に名称がそのまま大きく刻まれているとは限りません。実際は額面、年銘、表裏の図柄などを照合して種類を特定します。文字だけで安心せず、表裏両面をあわせて確認する習慣をつけていただくと安心です。
図柄・年号から本体そのものを見分ける
ケースや外箱がすでに失われている場合、見分けの手がかりは金貨本体に刻まれた図柄や文字になります。
このようなときは、表面の主なモチーフと裏面の紋章、額面、年銘の四点を順番に確認していくのがおすすめです。
外箱や説明書は種類を確認する手がかりになりますが、中身が入れ替わっている可能性もあるため、付属品だけで種類を断定するのは避けたほうがよいでしょう。
本体そのものに刻まれた情報を、造幣局や財務省が公開している公式画像と照合することが重要です。
平成2年銘の天皇陛下御即位記念10万円金貨は、表面が「鳳凰と瑞雲」、裏面が「菊の御紋と桐と唐草」です。
これに対し、昭和61年・62年銘の天皇陛下御在位60年記念10万円金貨は、表面が「鳩と水」、裏面が「菊花紋章」とされています。
したがって、同じ10万円金貨であっても、鳳凰が大きく描かれていれば平成の御即位記念、鳩と水が描かれていれば昭和の御在位60年記念と見分けることができます。
平成の御在位10年、20年、30年記念金貨は、いずれも額面が1万円であり、10万円金貨ではありません。
御在位10年記念1万円金貨の表面は「鳳凰と桐と白樺」、御在位20年記念1万円金貨の表面は「鳳凰と瑞雲と皇居・二重橋」、御在位30年記念1万円金貨の表面は「鳳凰と桐と白樺」です。
御在位10年記念と御在位30年記念は表面の主要な題材が似ていますが、裏面の意匠や年銘が異なるため、片面だけで判断してはいけません。
令和元年銘の天皇陛下御即位記念1万円金貨は、表面が「鳳凰と瑞雲」、裏面が「菊花紋章と梓とハマナス」です。
平成2年銘の御即位記念10万円金貨と表面の題材は共通していますが、額面や裏面の植物文様、年銘などが異なります。
年銘は「昭和六十一年」「昭和六十二年」「平成二年」「平成十一年」「平成二十一年」「平成三十一年」「令和元年」など、貨幣ごとに異なります。
複数枚をお持ちの場合は、同じ向き・同じ明るさの場所で並べて比較すると、違いに気づきやすくなります。
「日本国」の文字、額面表示、年銘の位置関係にも注目すると、より正確な判別につながるでしょう。
一つの箇所だけで判断せず、複数のポイントを組み合わせて総合的に見ていくことが、見誤りを防ぐコツです。
画像で比較する場合は、平成2年銘の御即位記念10万円金貨では鳳凰の羽や瑞雲、御在位60年記念10万円金貨では鳩の輪郭と水の流れを拡大して確認すると、図柄の違いが分かりやすくなります。
参考:天皇陛下御即位記念100,000円金貨幣(https://www.mint.go.jp/popup/data_kinen_page16.html)
参考:天皇陛下御在位60年記念100,000円金貨幣(https://www.mint.go.jp/popup/data_kinen_page09.html)
参考:天皇陛下御在位20年記念貨幣(https://www.mint.go.jp/coin/data/imperial_index.html)
鑑定士の目🔍
公式に発行された同一種類の貨幣であれば、基本となる文字や図柄は共通しています。文字の太さや彫りが違って見える場合でも、光の方向、撮影条件、摩耗、傷などが影響している可能性があるため、見え方だけで別種類や希少なバリエーションと断定しないことが大切です。ルーペで確認する際も、表面をこすらず、明るさや角度を変えて観察してください。
本物とレプリカ、傷や変色への対応
記念金貨には、偽造品や貨幣に似せて作られた模造品が確認されることがあります。
打刻された図柄や文字の形、表面の質感、縁の仕上がりなどに違いが表れる場合がありますが、これらはあくまで確認項目の一部です。
模造品のなかには外観を似せて作られたものもあり、一見しただけでは違いに気づきにくいケースもあります。
とはいえ、これらは写真だけで正確に判断できるものではありません。
光の当たり方や撮影角度、画像の解像度によって、見え方が大きく変わってしまうためです。
また重量についても、家庭用の測定器には誤差があり、それだけで真贋を決めることはできないでしょう。
模造品のなかには、正規品に近い重さになるよう作られたものもあり得るため、重量だけを頼りに安心してしまうのは避けたほうがよいでしょう。
鑑定では、公式仕様との照合に加え、直径、厚み、重量、素材、図柄の精度、表面の状態、縁の加工などを総合的に確認します。
傷や変色を見つけた場合、気になってご自身で磨いてしまう方がいらっしゃいますが、これは避けていただきたい対応です。
研磨してしまうと元の状態には戻らず、表面に細かな傷が生じたり、鑑定の際に重要な手がかりとなる状態が変化したりする可能性があります。
保管の際も、素手で表裏の面に触れたり、ケースから不用意に出し入れしたりせず、そっと扱うことを心がけてください。
やむを得ず裸の金貨を持つ場合は、清潔な手袋を使用し、図柄のある面ではなく縁を持つようにします。布で表面を拭くと細かな擦り傷が生じる可能性があるため、汚れが気になっても拭き取らないでください。
また、湿気や直射日光、急激な温度変化を避け、元のケースや硬質カプセルに入れたまま安定した場所で保管することも、状態を保つうえで大切なポイントになります。
なお、財務省は過去に天皇陛下御在位60年記念貨幣の偽造貨幣について注意情報を公表しています。疑わしい貨幣を見つけた場合は使用せず、警察または金融機関などへ相談することが必要です。
参考:偽造通貨を発見した場合(https://www.mof.go.jp/policy/currency/fake_money/index.html)
鑑定士の目🔍
金は比較的化学的に安定した素材ですが、付着物、保管環境、ケースなどの影響によって色味が変わって見えることがあります。また、自然な保管中の変化と、人為的な研磨や薬品処理による痕跡とでは、評価への影響が異なります。判断がつかない変色ほど、磨かずそのままの状態でご相談いただくことをおすすめします。一度研磨された表面を、製造時の状態へ戻すことはできません。
「御即位記念金貨」と「御在位記念金貨」は名前こそ似ていますが、発行目的も、発行時期も、図柄も異なる記念貨幣です。
本体の図柄・額面・年銘・紋章を落ち着いて確認していけば、ある程度の種類判別は可能でしょう。
とくに、平成2年銘の御即位記念10万円金貨は「鳳凰と瑞雲」、昭和61年・62年銘の御在位60年記念10万円金貨は「鳩と水」という表面図柄の違いが、大きな見分けのポイントになります。
一方、平成の御在位10年・20年・30年記念金貨や令和元年銘の御即位記念金貨は、いずれも額面1万円であるため、「天皇陛下の記念金貨」という名称だけで10万円金貨だと判断しないよう注意が必要です。
同じ種類の記念金貨であっても、保存状態や付属品の有無、市場での需要などによって評価は変動するため、見た目だけで価値を決めつけないことも大切です。
ただし写真や重量だけで真贋や価値を判断するのは難しく、誤った自己判断がのちの後悔につながることもあります。
とくに遺品として受け継いだ金貨は、ご家族にとって思い出の品でもあります。
だからこそ、慌てて結論を出すのではなく、確かな情報をもとに判断していただきたいと考えています。
古銭買取だるま3では、1枚からでも、匿名のままご相談いただけます。
「種類が分からない」「本物か確認したいだけ」「売却するかは決めていない」という段階でのお電話でも、まったく問題ございません。
無理に売却をお願いすることは一切ございませんので、ご安心ください。
遺品整理で見つかった金貨も、判断に迷う記念金貨も、これまでの鑑定経験をもとに一つひとつ丁寧にご案内いたします。
買取店によって査定額が異なると聞き、どこに相談すればよいか迷われる方もいらっしゃいますが、まずは種類や状態を確認することが先決です。
その場での売却をお願いすることはありませんので、安心してご相談いただけます。
金貨を磨いたり洗ったりせず、そのままの状態で、まずはお気軽に無料の電話相談をご利用ください。





































