和同開珎とは|日本初の貨幣の意味・種類・本物の見分け方

和同開珎とは何か|手元の古銭を見直す前に知っておきたい基本
遺品整理や収集箱の中から「和同開珎」と読める穴銭が見つかったとき、「もしかして本物では」と思うのは自然なことです。和同開珎は奈良時代の708年に鋳造されたとされる古代貨幣で、読み方は「わどうかいちん」とされることが多く、資料によっては「わどうかいほう」と併記される場合もあります。 (文化遺産オンライン)中央に四角い穴が開いた円形の銭で、表面に「和同開珎」の四文字が配されています。
ただし、同じ「和同開珎」と書かれていても、奈良時代の本物、後世の模造品、教材用レプリカ、観光地の記念品と、種類は多岐にわたります。文字だけで本物と判断するのは危険です。
見るべきポイントは文字の形・穴の形・縁の厚み・金属の色味・自然な古色の有無。これらを総合して確認することが最初のステップになります。
鑑定士の目🔍
「和同開珎」の四文字の中でも「珎」の字は特に注目します。本物の鋳造品では、文字の線が型から流れ込んだ金属の自然な広がりを持ちます。一方、後世の模造品では「珎」の上部の点が均一すぎたり、線の太さが機械的に整いすぎていたりすることがあります。文字一字ずつを虫眼鏡で見る習慣が、最初の手がかりになります。
和同開珎の意味と由来|「和同」「開珎」それぞれの意味
「和同開珎」という名称には、時代背景が込められています。708年、武蔵国秩父郡から銅が朝廷に献上され、元明天皇はこれを吉兆として元号を「和銅」と改めました。貨幣の「和同」は、この「和銅」と表裏の関係にある言葉で、国がまとまり通用する貨幣を整えるという意味合いにもつながります。
「開珎」の部分は、唐の「開元通宝」の影響が指摘されています。古代日本は律令国家として制度を整える過程にあり、中国大陸の貨幣文化を学びながら国家としての貨幣を鋳造しました。
つまり和同開珎は、単なる銅の小片ではありません。奈良時代の政治・経済・外交・技術を映す資料として、状態が悪くても専門家が見ると重要な特徴が残っている場合があります。
鑑定士の目🔍
「開」の字形や「珎」の表現は分類上の参考になりますが、単独で年代や真贋を決める根拠にはなりません。複数の文字の配置、鋳造状態、材質、出土・来歴情報を合わせて判断します。時代が下るにつれて字体が変化していく傾向があり、文字の癖が古式を示しているかどうか、書体のくずれ方も参照します。鋳造貨幣では「筆致」という表現より、「文字の原型や線の肉付き、鋳上がりの自然さ」と表現した方が適切です。初期性の判断も、文字の印象だけでなく材質・鋳肌・分類資料との比較が必要です。
「日本初の貨幣」と言われる理由と注意点|名称だけで価値は決まらない
「日本初の貨幣」と聞くと、すぐに高額な価値を期待してしまうかもしれません。ただし、現在の研究では、和同開珎以前に富本銭が鋳造されていたことが確認されており、無文銀銭などとの関係も含めて、古代貨幣史にはなお検討課題があります。 (日本銀行IMES)そのため、「日本で最初期に国家が発行した流通用貨幣」と理解するのが正確です。
そして大切なのは、歴史上の定義と古銭としての鑑定価値は別の問題だということ。同じ「和同開珎」という名称でも、鋳造時代・材質・保存状態・文字の特徴・来歴・付属品の有無によって、評価は、真贋・種類・保存状態・来歴・付属資料の有無によって大きく変わります。具体額を断定せず、「状態や希少バリエーションにより評価に大きな幅がある」と表現する方が安全です。国税庁も、骨とう等は箱書・鑑定書・類似取引などで価格差が生じるとしています。 (国税庁)
名称だけで価値を決めつけず、まずは写真を撮って専門家に確認することが、損をしないための第一歩です。
鑑定士の目🔍
「状態が悪いから価値がない」は早計です。文字が摩耗していても、鋳肌の古色や縁の自然な丸みが残っていれば、真贋判断の材料は十分にあります。逆に見た目がきれいすぎるものは注意が必要で、文字がくっきりしているほど近年の複製品である可能性も高まります。美しさより時代性と真贋が、鑑定の軸になります。
古和同と新和同の違い|初期タイプを見分けるポイント
和同開珎を調べていると「古和同」という言葉が出てきます。古和同とは、和同開珎の中でも初期タイプとして分類されることがある呼称です。ただし分類は書体・材質・鋳造状態などを総合して判断する必要があり、写真や一部の特徴だけで断定するのは避けるべきです。
ただし、古和同かどうかの判断は非常に難しいもの。「汚れているから古い」「形が粗いから本物」という見方は危険で、古く見せるために表面を黒くしたり、土埋めの色を付けたりした模造品も存在します。
鑑定では「和」「同」「開」「珎」の各文字の線質を拡大確認し、型から自然に流れた鋳造線なのか、後から彫ったような不自然な線なのかを見ます。古和同の可能性があるものは、フリマアプリへの出品や自己判断での売却は避けてください。
鑑定士の目🔍
古和同の特徴として注目するのが、文字の「肉持ち」と呼ばれる線の丸みです。初期の鋳造では型の精度が後期より低い分、文字にわずかな「ゆらぎ」が生まれます。この自然なゆらぎは後世の模造では再現が難しく、意図的に粗くしたものとは、線の始点と終点の金属の溜まり方が異なります。
種類別チェックポイント|銀銭・銅銭・古和同・新和同
銀銭
和同開珎には銅銭に先立って鋳造されたとされる銀銭があります。銀色に見えるからといって銀銭とは限らず、後世の銀メッキ品や変色品、レプリカの可能性もあります。銀色が不自然に明るいもの、欠けた部分が違う色に見えるものは注意が必要です。
鑑定士の目🔍
銀製の古銭は経年により灰白色や黒ずみを帯びることがありますが、色だけで銀銭や真贋を判断することはできません。材質・鋳肌・断面・来歴を含めた確認が必要です。表面だけ銀色でも断面が異なる金属色であれば、メッキの可能性を疑います。重さや比重は材質判断の補助情報になりますが、家庭での感触だけでは正確な判断はできません。必要に応じて専門機器による材質確認を受ける方が安全です。
銅銭
一般的に和同開珎としてイメージされるのが銅銭です。土中に長くあった場合、緑青や黒褐色の古色を帯びますが、緑色の錆があるから本物とは限りません。人工的に錆を付けた模造品も存在します。
鑑定士の目🔍
緑青や黒褐色の古色は古銭判断の参考になりますが、人工的に付けられた錆もあるため、色の分布だけで本物と断定するのは危険です。文字・鋳肌・摩耗・穴の内側まで総合的に確認する必要があります。人工着色品は逆に均一に広がりすぎていたり、こすると色が落ちやすかったりします。錆の「分布の自然さ」を見ることが重要です。
古和同
古和同は鑑定士でも慎重に判断する分類です。可能性があると感じたら、必ず専門家に確認してから次のステップへ進んでください。
新和同
比較的整った印象のものが多いですが、「新」と付くから価値が低いとは限りません。真贋・状態・分類の三点を総合して見ることが基本です。
本物とレプリカの見分け方|鑑定士が見る5つのポイント
① 文字の形を見る
「和同開珎」の四文字が浅すぎないか、線が不自然に鋭すぎないかを確認します。本物の鋳造品は文字の立ち上がりに金属の流れと自然な丸みが残っています。現代的に整いすぎた文字、わざと摩耗させたような不自然な削れ方は注意が必要です。
② 中央の四角い穴を見る
穴の形・角の丸まり方・内側の摩耗は大切なポイントです。表面は古くても穴の内側だけが不自然に新しい、角が機械的にきれいすぎるものは後世の加工品の可能性があります。
③ 外縁と厚みを見る
自然な古銭は縁の角が少し丸まり、表面との色のつながりも自然です。縁だけが鋭い、欠け方が新しい、断面が不自然に明るい場合は慎重に見てください。厚みや重さだけで本物と断定するのは禁物です。
④ 鋳肌と金属の質感を見る
古代銭の鋳肌には細かな凹凸と金属の流れが見られます。薬品や土・加熱で古色を付けた模造品は、拡大すると色の入り方が不自然だったり、凹部と凸部の摩耗が合っていなかったりします。
⑤ 裏面も必ず見る
表面の文字がそれらしくても、裏面の鋳肌や縁に違和感が出ることがあります。写真相談の際は表面・裏面・側面・穴の内側の4面を撮影してください。
遺品整理で見つかったときの注意点|磨く前に読んでください
遺品整理で古銭が見つかったとき、最も避けたいのは価値が分からないまま処分することです。古い紙包み・木箱・収集メモ・鑑定書らしき紙が一緒にあれば、それらも判断材料になります。古銭だけを取り出して、箱や紙を捨てないでください。
「汚れているからきれいにした方が価値が上がる」と考える方もいますが、磨く・洗う・薬品を使う・削る行為はすべてリスクです。表面の黒褐色や緑青は長い時間の証拠である場合があり、素人判断で落とすと鑑定に必要な古色情報まで失われます。
保管は乾いた場所で、他の金属とぶつからないよう個別に包みます。中性紙や柔らかい袋を使い、素手で何度も触らないようにしましょう。
鑑定士の目🔍
「磨いてきれいにしました」と持ち込まれた古銭は、残念ながら真贋判断の難易度が跳ね上がります。鋳肌の自然な凹凸も、古色の分布も、一度失われると元には戻りません。どんなに汚れていても、現状のまま見せてもらう方が、正確な判断ができます。
写真相談の前に撮っておきたい箇所
電話・写真相談の際は次の箇所を撮影しておくとスムーズです。表面全体(正面)・裏面・中央の穴・外縁・文字の拡大・気になる錆や欠け。箱・紙包み・メモがあれば、それも撮影してください。
自然光の下で影が出すぎないよう撮るのが理想です。スマートフォンで撮る場合は少し離して撮影し、あとで拡大する方が鮮明に写ります。1枚だけの相談でも問題ありません。「本物かどうか」「保管方法はどうすればいいか」を確認するだけでも、十分な相談理由になります。
まとめ|和同開珎は歴史だけでなく「見極め」が重要
和同開珎は、『続日本紀』の記述に基づき、和銅元年(708年)に発行されたとされる奈良時代の古代貨幣です。文化遺産オンラインでも、日本で最初の流通用の鋳造貨幣として紹介されています。 (文化遺産オンライン)ただし同じ「和同開珎」でも、本物・模造品・教材用複製・観光記念品と種類は多く、文字だけで判断するのは危険です。
手元にあるものを見るべきポイントは、文字・中央の穴・外縁・鋳肌・金属の色味・裏面・付属品の7点。古和同か新和同か、本物かレプリカかは、写真一枚や部分的な特徴だけで簡単には断定できません。
評価は状態や希少バリエーションにより数円〜数十万円の幅があります。だからこそ、価値が分からない段階こそ専門家に確認する意味があります。
自分で判断して損をする前に、1枚からでもプロに相談すべき理由
「1枚だけだから相談しにくい」「偽物だったら恥ずかしい」と感じる必要はありません。本物の可能性があるものを安く手放してしまうリスクと、模造品を本物と思い込んでしまうリスク、どちらを避けるためにも、専門家の目を通すことが大切です。
だるま3では、売却を前提にせず、種類の確認・保管方法の相談から始められます。匿名での無料相談も可能なので、「価値がなかったら恥ずかしい」「強引に売るよう勧められるのでは」という不安も不要です。
古銭は分からないまま放置すると紛失・誤廃棄につながることがあります。焦って売ると後悔することもあります。まずは写真を撮り、プロに見てもらい、種類と状態を把握することが第一歩。遺品の和同開珎らしき古銭が何なのかを知るために、まずはお電話ください。






































