東京五輪銀貨の画像判別|チェックポイント一覧【本物を見分けるポイントを鑑定士が解説】

実家の整理や遺品整理をしていると、「昭和39年」と刻まれた銀色の記念硬貨が見つかることがあります。
「東京五輪記念100円銀貨だと思うけれど、本物なの?」
「ネットの画像を見ても違いがよく分からない」
「磨いてしまう前に確認したい」
このような疑問を持つ方は少なくありません。
東京五輪記念100円銀貨は8,000万枚発行され、今も家庭から見つかることのある記念貨幣です。
一方で、同時に発行された東京五輪記念1000円銀貨や、ほかの100円硬貨と混同されることがあり、画像だけで判断しようとして迷う方もいるでしょう。
「古い銀貨だから珍しい」「東京五輪だから高価」という思い込みから、真贋確認のご相談をいただくことも少なくありません。
財務省および造幣局の資料によると、東京五輪記念100円銀貨は昭和39年に発行された銀合金の記念貨幣で、表面には聖火台と五輪マーク、裏面には太陽と算用数字の「100」がデザインされています。
なお、同時に発行された1000円銀貨とともに、日本で最初に発行された記念貨幣に位置付けられています。
参考:記念貨幣一覧(https://www.mof.go.jp/policy/currency/coin/commemorative_coin/list.htm)
参考:東京オリンピック記念100円銀貨幣(https://www.mint.go.jp/popup/data_kinen_page02.html)
本記事では30年以上古銭を鑑定してきた視点から、画像で最初に確認すべきポイント、本物とされる公式図柄の特徴、そして写真だけで分かること・分からないことを、図鑑形式で分かりやすく解説します。
最後まで読んでいただくことで、ご自身の銀貨をどのように確認し、どう相談すればよいのかが見えてくるはずです。
画像でここまで分かる|東京五輪銀貨の判別ポイント
表面・裏面デザインで確認するポイント
まず注目していただきたいのが、表面の聖火台と五輪マーク、裏面の太陽と「100」の文字です。
これらは財務省と造幣局が公表している東京五輪記念100円銀貨の公式図柄であり、画像でも比較しやすい部分でしょう。
聖火台や五輪マークの配置が公式画像と大きく異なっていないか、まずは全体の印象を確認してみてください。
スマートフォンで撮影する場合は、真上から一枚だけでなく、少し角度を変えて何枚か撮っておくと後で見比べやすくなります。
画像を確認する際は、聖火台の形や五輪マークの配置、周囲に刻まれた「日本国」「百円」の文字をチェックします。
裏面では、中央の「100」と、その背景に表現された太陽の意匠に注目してください。
東京五輪記念100円銀貨の裏面に桜の模様はなく、「100」の周囲に放射状の線を持つ太陽がデザインされています。
また「昭和三十九年」の年銘が確認できるかどうかも重要です。
下の表に、公式図柄と照合するときの確認箇所と、注意したい状態をまとめました。
| チェック箇所 | 公式図柄で確認できる特徴 | 注意したい状態 |
|---|---|---|
| 聖火台・五輪マーク | 聖火台の上に五輪マークが配置されている | 図柄や配置が公式画像と明らかに異なる |
| 表面の文字 | 「日本国」「百円」の文字が刻まれている | 文字そのものが欠けている、配置が大きく異なる |
| 「100」の文字 | 裏面中央に算用数字の「100」がある | 書体や位置が公式画像と大きく異なる |
| 太陽の意匠 | 「100」の背景に放射状の太陽がある | 桜など、異なる図柄が配置されている |
| 年号の刻印 | 「昭和三十九年」の年銘がある | 年号が異なる、または文字を確認できない |
このように一項目ずつ確認していくことで、少なくとも東京五輪記念100円銀貨の公式図柄と一致するかどうかを画像から確認できるでしょう。
ただし、文字や図柄が鮮明かどうかは摩耗、傷、撮影時のピント、光の反射にも左右されます。輪郭がぼやけているという理由だけで、偽物と判断することはできません。
背景部分を確認する場合は、光を斜めから当てた画像も用意すると、表面の凹凸や傷、光沢の状態を把握しやすくなります。
なお、東京五輪記念1000円銀貨や、ほかの記念100円貨幣と混同されるケースも見受けられます。
東京五輪記念1000円銀貨は、表面に富士山と桜、裏面に桜、五輪マーク、算用数字の「1000」がデザインされています。東京五輪記念100円銀貨とは、額面だけでなく図柄も異なります。
まずは硬貨に刻まれている額面と年号、表裏の図柄を落ち着いて確認してみてください。
鑑定士の目🔍
初心者ほど絵柄そのものだけを見てしまいますが、私たち鑑定士は公式図柄との一致に加え、文字や線の形、凹凸の現れ方、摩耗や傷との整合性を確認します。ただし、摩耗した本物では文字や図柄が不鮮明になることもあるため、線の鮮明さだけを真贋の決め手にはしません。
縁(ギザ)・摩耗・色味からわかること
表面や裏面に目が行きがちですが、縁(ギザ)の状態も確認しておきたい部分です。
また「黒くなっているから偽物では」というご相談も多いのですが、銀を含む貨幣は保管環境や表面に付着した成分などの影響で変色することがあるため、色だけで判断することはできません。
財務省の記念貨幣一覧によると、東京五輪記念100円銀貨の縁にはギザが設けられています。
画像では、縁全体にギザがあるか、削れや大きな打痕がないかを斜め45度から撮影して確認してみてください。
ギザの一部が浅く見える場合でも、摩耗、打痕、ピントのずれ、光の当たり方など複数の原因が考えられます。そのため、ギザの間隔や深さだけで本物・偽物を断定することはできません。
長年使用または保管された銀貨では、縁や図柄に摩耗が見られることがあります。全体の状態と併せて確認することがポイントです。
色味については、灰色、褐色、黒色、金色がかった変化や、光の角度によって虹色に見える変化が生じる場合があります。
ただし、色の現れ方だけから自然な経年変化か、薬品や洗浄などの影響かを断定することは困難です。
一部分に液体が流れたような跡がある場合や、全体が周囲の摩耗状態に比べて不自然に強く光って見える場合は、洗浄や研磨が行われていないか実物で確認する必要があるでしょう。
また、聖火台や五輪マーク、「100」の数字など、盛り上がった部分には摩耗が現れやすいため、平らな部分との違いも確認したいポイントです。
深い打痕や縁の欠け、押しつぶされた跡がある場合は、状態評価に影響することもあります。
なお、汚れが気になっても研磨剤や金属磨き、消しゴム、歯磨き粉などで磨くことは避けてください。
研磨や洗浄によって元の表面状態が変わると、保存状態の判断が難しくなり、収集品としての評価に影響する可能性があります。見つけたときの状態をそのまま保つことが大切です。
鑑定士の目🔍
銀貨の色は照明環境で大きく変わって見えます。私たちは色だけでなく、光沢の残り方や摩耗とのバランス、凹凸部分の色の違い、表面に不自然な細い傷が集中していないかなどを総合的に確認して判断しています。
写真だけで判断できる範囲・できない範囲
画像から比較しやすいのは、デザインや年号、文字の配置、大きな傷や縁の状態といった部分です。
財務省や造幣局が公開している公式画像と見比べることで、東京五輪記念100円銀貨の図柄に該当するかどうかは、ご自身でもある程度確認できるでしょう。
一方で、重量、直径、金属の組成、打刻の状態、微細な加工跡といった部分は、通常の写真だけでは確認できません。
財務省と造幣局の資料では、東京五輪記念100円銀貨は銀60%、銅30%、亜鉛10%の銀合金で、量目4.8グラム、直径22.6ミリとされています。しかし、家庭用のはかりや画像上の見た目だけでは、公称値との細かな差や金属組成を正確に判定できないことがあります。
また、図柄を似せた複製品が疑われる場合でも、画像だけで「本物」または「偽物」と断定することはできません。
スマートフォンで撮影した写真は、LED照明やフラッシュ、室内照明によって色味が実物と異なって写ることがあります。
実際には自然な銀色でも、画像では黄色や青みがかって見えることもあるため、色だけで真贋を判断することはおすすめできません。
相談前には、次の5枚を用意しておくとスムーズです。
表面全体、裏面全体、縁(側面)、45度から撮影した写真、傷や変色の拡大写真です。
できれば日中の明るい場所で、直射日光や強いフラッシュを避けて撮影し、ケースや袋が残っている場合はそれらも一緒に撮っておくとよいでしょう。
また、画像判別が終わってもすぐに手入れをする必要はありません。
表面を素手で繰り返し触れない、湿気や直射日光を避ける、ケースや元の包装がある場合は無理に開封しないなど、見つけたときの状態のまま保管しておくことをおすすめします。
鑑定士の目🔍
実際の鑑定では、光の当て方を変えながら図柄の凹凸、表面の傷、摩耗、縁の状態などを確認します。必要に応じて量目や直径なども公表資料と照合するため、画像はあくまで種類を特定し、状態を把握するための一次判断の材料とお考えください。
まとめ|自分で判断して損をする前に、1枚からでもプロへご相談ください
東京五輪記念100円銀貨は、表面・裏面のデザインや年号、縁、色味、摩耗状態を順番に確認することで、少なくとも公式図柄に該当するかどうかをある程度見極めることができるでしょう。
特に、表面の聖火台と五輪マーク、裏面の太陽と「100」、昭和三十九年の年銘、縁のギザは、画像でも比較的確認しやすいポイントです。
しかし、重量、金属の組成、細かな打刻の状態といった写真だけでは判断できないポイントも数多く存在します。
「偽物だったら恥ずかしい」「価値のない硬貨で相談するのは申し訳ない」と感じて、相談をためらってしまう方も少なくありません。
ですが、自己判断のまま誤って磨いてしまうと元の表面状態を損ねる可能性があり、後から元に戻すことはできません。
また、ご家族から「そんなもの売れないよ」と言われて半信半疑になっている場合でも、価値や評価は真贋、保存状態、需要などによって異なるため、実物を確認せずに決めつけることはできません。
「本物かどうか判断できない」「傷や変色が価値に影響するのか知りたい」「1枚だけ見つかったけれど相談していいのだろうか」と迷われている場合は、一人で抱え込まず専門家へご相談することをおすすめします。
「画像だけ送っても相手にされないのでは」と不安に思われるかもしれませんが、電話でのご相談では、お手元に写真がない場合でも、額面、年号、図柄、色や傷の状態などを口頭で伝えることができます。
ただし、口頭で確認できるのは種類を絞り込むための情報が中心であり、真贋や保存状態、価値を確定するには画像や実物の確認が必要になる場合があります。
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画像で判断できる範囲と、実物を確認しなければ分からない範囲を丁寧にご説明いたしますので、「まずは何の銀貨なのか知りたい」という段階でもお気軽にお電話ください。





































