10万円金貨は御即位記念?初心者でもわかる見分け方

遺品整理や実家の片付けをしていると、ケースに入った金色の記念硬貨が見つかることがあります。
表面や裏面に「拾万円」「十万円」といった文字が見えるものの、「これは御即位記念金貨なのか」「御在位記念とは何が違うのか」「そもそも本物なのか」と迷う方は少なくありません。
日本で発行された10万円金貨には、天皇陛下御在位60年記念10万円金貨と、天皇陛下御即位記念10万円金貨の2種類があります。
どちらも金色で皇室に関わる図柄が採用されているため、古銭に詳しくない方が一目で区別するのは簡単ではないでしょう。
似たような画像がインターネット上に多く存在することも、判断を難しくしている一因です。
国際博覧会やオリンピックなどを記念した日本の金貨もありますが、額面は10万円ではありません。手元の品に「拾万円」と表示されている場合は、まず御在位60年記念金貨と御即位記念金貨のどちらに該当するかを確認します。
額面だけでなく図柄を見ることが、種類を特定するうえで重要な手掛かりになります。
まず押さえておきたいのは、表面中央に描かれた鳥の種類です。
御在位60年記念金貨には鳩と水、御即位記念金貨には鳳凰と瑞雲が配されています。
この一点を確認するだけで、種類はある程度まで絞り込めます。
ただし、模様の細部や裏面の装飾、年銘まで見なければ、確実な判別にはつながりません。
本物か偽物かという心配も出てきますが、種類の特定と真贋の判断は分けて考える必要があります。
この記事では、2種類の違いと初心者でもできる見分け方を、鑑定の視点を交えて解説します。
手元の金貨を磨いたりケースから無理に取り出したりせず、そのままの状態で確認を進めてください。
参考:記念貨幣一覧(https://www.mof.go.jp/policy/currency/coin/commemorative_coin/list.htm)
鑑定士の目🔍
鳩と鳳凰は、写真では似た印象に写ることがあります。
御即位記念金貨の鳳凰は、御在位60年記念金貨の鳩よりも長く装飾的な尾羽を持ち、羽根の線も細かく表現されています。
一方、御在位60年記念金貨には、羽を広げた鳩と水の流れを表す模様が配されています。
照明の反射によって細部が見えにくくなるため、柔らかい光の角度を変えながら、尾羽や周囲の模様を見比べると判別しやすくなります。
ただし、図柄が一致することだけで真贋まで確定するわけではありません。
御在位記念と御即位記念、まず知っておきたい違い
同じ「10万円」という額面でも、発行された目的は異なります。
御在位60年記念金貨は、昭和天皇の御在位60年を記念して発行された、日本で最初の記念金貨です。日本で最初の記念貨幣そのものではなく、最初の記念金貨である点には注意が必要です。
一方の御即位記念金貨は、現在の上皇陛下が天皇に即位されたことを記念して、平成2年銘で発行されました。
「在位」と「即位」、一文字の違いですが、金貨が記念する内容は大きく異なります。
御在位記念は「御在位60年」という節目を祝い、御即位記念は天皇の御即位を記念したものと考えると、違いを理解しやすいでしょう。
参考:天皇陛下御在位60年記念100,000円金貨幣(https://www.mint.go.jp/popup/data_kinen_page09.html)
参考:記念貨幣一覧(https://www.mof.go.jp/policy/currency/coin/commemorative_coin/list.htm)
表面図柄だけでなく、裏面の構成にも違いがあります。
御在位60年記念金貨の裏面は、菊花紋章を中心としたすっきりした構成です。
御即位記念金貨の裏面には、菊花紋章に加えて桐と唐草が組み合わされ、より装飾的で密度の高い印象になります。
年銘も昭和と平成で異なるため、図柄と合わせて確認すると判別の精度が上がるでしょう。
複数枚見つかった場合は、同じ図柄に見えても年銘が違うことがあるため、一枚ずつ丁寧に見ていく必要があります。
御在位60年記念10万円金貨には昭和61年銘と昭和62年銘があるため、年銘が違うからといって、すぐに偽物と判断しないよう注意してください。御即位記念10万円金貨は平成2年銘です。
文字の字体や配置に不自然な点がある場合は、模造品などの可能性も含めて慎重に確認しましょう。
なお、日本の記念貨幣は単なる記念メダルではなく、「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」に基づく貨幣として現在も使用できます。
ただし、素材や大きさが一般の硬貨と異なり、自動販売機などでは使用できないことがあります。財務省は、使用する場合には金融機関の窓口で通常貨幣と引き換えるよう案内しています。収集品としての評価を確認したい場合は、引き換える前に種類や状態を確認しておくとよいでしょう。
参考:過去に発行された記念貨幣は、現在でもお金として使えますか(https://www.mof.go.jp/faq/currency/07ai.htm)
鑑定士の目🔍
初心者の方は裏面の菊花紋章だけを見て「御在位記念だ」と判断しがちです。
しかし御即位記念金貨にも菊花紋章はあり、周囲の桐や唐草の有無が重要な判別点になります。
御在位60年記念金貨は表面の鳩と水、御即位記念金貨は表面の鳳凰と瑞雲も合わせて確認してください。
表面の鳳凰と鳩、見分けの決定的ポイント
図柄の判別で最も分かりやすいのは、やはり中央の鳥です。
丸みがあり簡潔にまとまった鳥で、周囲に水の流れを表す模様があれば御在位60年記念の可能性が高いでしょう。
尾羽が長く伸び、羽根の表現が華やかで、周囲に雲のような模様があれば御即位記念と考えられます。
迷ったときは、まず尾羽の形と周囲の模様に注目してみてください。
初心者が最も間違えやすいのは、鳩と鳳凰をどちらも単に「鳥」として同じように見てしまうことです。
とはいえ、摩耗やケースの反射で模様が見えにくいこともあります。
正面からの照明だけでは、模様が白く飛んでしまい判別が難しくなります。
柔らかい光を斜めから当て、凹凸に生まれる陰影を確認するのがコツです。
それでも判断がつかない場合は、無理に自己判断せず専門家に見せることをおすすめします。
金色であることだけを根拠に、純金製の正規貨幣や本物と決めつけないことも大切です。
金色のメッキや着色を施した合金、記念メダルなども存在するため、色味だけでの判断は避けましょう。
保管環境やケースの状態によっても、見え方が変わることを覚えておいてください。
金貨の外周も、模造品との違いを確認する際の観察点です。
縁の幅が一周おおむね均等か、図柄が大きくずれていないか、不自然な継ぎ目や盛り上がりがないかを確認してみましょう。
ただし側面を詳しく見る必要がある場合は、ケースから無理に取り出さず、専門家に任せたほうが安全です。
鑑定士の目🔍
鳳凰の羽根や瑞雲には細かな線があり、粗い複製品では線が不鮮明に見えたり、細部が一体化して見えたりすることがあります。
文字の形や間隔、年銘と外周との位置関係も確認点になります。
ただし、写真の解像度、照明、ケースの傷、摩耗などによっても線の見え方は変わるため、こうした特徴だけで真贋を断定することはできません。
真贋に不安がある場合は、複数方向から撮影した鮮明な画像や現物による確認が必要です。
自宅で確認するときに気をつけたいこと
種類を確認する段階で、避けていただきたいことがあります。
汚れや曇りが気になっても、研磨や水洗いは行わないでください。
研磨すると表面に細かな傷が付き、製造時の表面状態が失われる可能性があります。水や洗剤による洗浄も、ケースへの浸入や乾燥跡などを招くおそれがあります。
ケースも無理に開けず、そのままの状態で保管しておきましょう。
できる限り金貨へ直接触れず、すでにケースから出ていて移動が必要な場合も、図柄部分には触れないよう注意してください。
確認の際は、表面・裏面・年銘・鳥の図柄をそれぞれ撮影しておくと安心です。
窓際の自然光など、柔らかい光を斜めから当てて撮影すると、模様の凹凸が写りやすくなります。
フラッシュはケースへ反射しやすいため、フラッシュなしを基本とし、必要に応じて角度を変えた写真も撮っておくと判断材料が増えるでしょう。
ケースや外箱、説明書などが残っている場合も、処分せず一緒に保管してください。
これらの付属品が、種類や保管状況を確認する手掛かりになることがあります。なお、付属品があることだけで真贋が保証されるわけではありません。
輪ゴムや粘着テープを直接触れさせない、高温多湿や急激な温度変化を避けるなど、日頃の保管にも気を配りましょう。
複数枚見つかった場合は、裸のまま重ねず、それぞれが接触しない状態で保管してください。
評価は種類だけで決まるものではなく、年銘、保存状態、擦れや打ち傷の有無、研磨や洗浄の痕跡、付属品、真贋、その時点の市場需要などを合わせて判断されます。
鑑定士の目🔍
磨いた形跡のある金貨は、製造時の表面状態が変化しているため、保存状態の評価に影響する可能性があります。
また、輪ゴムや粘着テープは劣化して付着することがあるため、ケースや外箱にも直接触れさせないほうが安全です。
ケースの傷や曇りが金貨表面の異常に見える場合もあるため、ケースを開けずに角度を変えて観察してください。
写真だけで状態や真贋を判断できない場合は、現物を専門家に確認してもらう必要があります。
自分だけで判断して手を加えてしまう前に、1枚からでも専門家に相談することをおすすめします。
御即位記念か御在位記念かという種類の判別は図柄と年銘から進められますが、真贋については一つの特徴だけで断定できません。
「1枚しかないので相談しにくい」「偽物だったら恥ずかしい」と感じる方も多いのですが、種類を知るために相談することは決して珍しくありません。
古銭買取だるま3では、10万円金貨1枚からでも無料で電話相談を受け付けています。
匿名でのご相談や、売却を前提としない種類確認にも対応しています。
相談時には、売却の意思が固まっていないことや、まず種類だけを確認したいことを伝えたうえで、説明に納得してから判断してください。
自己判断で磨いたり洗ったりする前に、金貨をありのままの状態で相談することが、状態を損なわずに確認するための安全な方法です。
磨かず、洗わず、ケースのまま、まずはお電話でご相談ください。





































